メモ帳として使っていたEvernoteの代替ということでSimplenoteをChromebookに導入してみました。その後数ヶ月使って見た感想的なことを書いてみます。ちなみに私はモバイル端末を4つ持ってます。私用は2台(ChromebookとAndroidスマホ)、あと会社から貸与されているもの(WindowsPC、iPhone)があります。
Evernote〜Simplenote乗換の理由
端末4台利用したい
Evernoteは1アカウントに対して端末2台までなら無料で使えます。4台使うためには有料プランにしなければなりません。Evernoteの有意義な機能を使いこなせていない中、有料プランはもったいないと思い、代替手段をと考えました。
シンプルイズベスト
Evernoteには様々な機能が備わってると思いますが、私は殆ど使いこなせていませんでした。複雑な機能は、どうせ使わないから、分かりやすくて軽快に使えるものが良いと思いました。
Simplenoteをオススメしたい点
利用端末数無制限、広告無し、対応OSの広さ
まず、利用端末数は制限ありません。更にWindows、iOS、Androidに加えてLinuxまで対応するという幅広さ。中々この4つを網羅しているのは珍しいのではないかと思います。加えて、広告無しで使えるのが個人的に嬉しいところです。
簡単操作、軽快動作、瞬時に同期
やれることもシンプルなので、すぐに使い方がわかることでしょう。同期も一瞬で完了します(テキストデータのみしか扱えないので当たり前なのかもしれませんが、Evernoteの時は、同期に数秒を要していました)。同期で固まることも無いので、テキスト入力していてストレスは感じません。
マークダウン記法に対応
ブログエディター等でこの機能に対応したものがあるのは知っていましたが、Simplenoteを使うまで使ったことはありませんでした。HTMLのようなマークアップの簡易版みたいなところでしょうか。逆に、この機能以外は文書を装飾する手段が無いことになります。慣れば結構早く文章を作れます。
記事をシェア(公開)できる
「公開できる」が意味するのは、書いたメモがWebサイトとして公開されることを意味します。試しに1つ記事を公開してみました。以下のような感じで「http://simp.ly/」というWebサイトに記事がそのままアップされます。このリンクにアクセスすれば誰からも公開した記事を見てもらうことができます。
不満なところは?
画像貼れない
いわゆる、「そういう仕様だから」というヤツですが、テキスト作成に特化しているので画像を貼る余地はありません。メモるより画像貼る方が効率よく記録できて便利な事も多々あるかと思います。それについては別のアプリを使うしかありません。
データが消えてしまうことが…
Simplenoteについて調べてみると、そのような記事を書いておられる方がちらほら。私も1回だけ1つの記事が消滅してしまいました。AndroidスマホにBluetoothキーボードを接続してテキスト入力したら、その記事だけなくなりました。それ以来Bluetoothキーボードの使用は控えてましたが、久々にこの記事のドラフトを同様の方法で書いてみましたところ、問題なく使えてます。
マークダウンがうまく表示できないことがある
バクなのでしょうか?使用環境にもよるのか?うまく表示できないことがあります。例えば以下のようなサンプルを用意してみました。
Markdownを有効にすると、こんな表示になるハズです。
これが思った通りいかないのです。私が試した中で顕著だったのはLinux版。「#」を使う「見出しが」効かない。(#の後ろにスペースを入れると見出しと認識できるのですが、他のマークダウンが無効になったりして...。)それとは別に、今回用意したのはPythonのコードメモですが、何故かLinux環境だとコードを認識して色分けしてくれている。
印刷したいけど...
せっかくマークダウンできれいにした文章を紙に印刷したいと思ったのですが、その機能は無いようです。対処方法としてはブラウザ版、もしくは先程触れた「記事の公開」をして、ブラウザから印刷するか…ですかね。
Chromebook環境下ではどのタイプを使うべき?
Chromebook環境下で3つ選択肢があります。
・Androidアプリを使う
・Linux環境で使う
・ブラウザ版を使う
無意識でAndroid版を使っていましたが、改めてどれが1番良いのか考えてみました。
起動時間
Chromebookを起動した以外は何も立ち上げていない状態を開始時間として、各環境でテキスト入力ができるようになる状態までストップウォッチで測ってみました。
(試しに測ってみた程度なので、ものすごい誤差があるかもしれません)。
・Android版 6秒
・ブラウザ版 14秒
・Linux版 68秒
圧倒的にLinuxだけ遅い理由としては、まずLinux環境を立ち上げるのに30秒くらいを要しているためです。ブラウザ版はブラウザを立ち上げ→Simplenoteのサイトに遷移し→ログインするということをやってます。この辺、もっと工夫すれば早くなるかもしれませんが、Android版の場合、アイコンをクリックするだけで立ち上がるので、この項目はAndroid版に軍配を上げたいと思います。
オフライン作業
当然ブラウザ版はオフライン作業ができないので、その点他の2択に劣ります。
マークダウンの表示崩れ
これに関して、1番顕著なのはLinux版です(前述の例の通り)。ブラウザ版はブラウザの種類にもよるのでしょうか、Chromeだと同じように「#」がうまく行かなかったりしました。私が使っている中ではAndroid版が一番きれいに表示できています。
操作性の差異
例えば、はてなブログでもAndroidアプリ版がありますが、ブラウザ版に比べて、使える機能に成約があったりして操作性が大きく劣ります。しかしながら、Simplenoteに関しては、どのバージョンでも操作性というか、使える機能は同等のように思えます。ので、この点に関しては差が無いと言えると思います。
ということで、どの項目においてもAndroid版が他と同等以上のため、Android版をおすすめしたいと思います。
Linux版をインストールする方法
公式サイトには大量にインストーラーがアップされています。しかし、私のChromebookはarmなのですが、残念ながらdebファイルがない...。のでtar.gz形式のものを試してみました。
適当なフォルダ(私は/usr/local/srcにしました)にダウンロードして以下を実行し圧縮ファイルを解凍します。
tar -zxvf Simplenote-linux-2.20.0-arm64.tar.gz
解凍した中には「simplenote」の実行ファイルがあります。
(MakeとかMakefileは不要)
なので以下で起動できました。
./simplenote
ちなみに「snap」でインストールする方法もあります」
sudo snap install simplenote
しかし私の環境では失敗しました。なぜなら、
error: snap "simplenote" is not available on stable for this architecture (arm64) but exists on
other architectures (amd64, i386).
コードエディタの「atom」をインストールしようと試みたときも同様の問題にぶち当たりました。ARMのCPUを載せているデバイスは数多くありますが、PCへの普及率から考えると仕方ないことなのでしょうか。そもそも今までCPUのアーキテクチャがなにかとか考えたことなかったんですけど、個人的には初めてそういう問題があるんだなと思った機会でした。
そもそもLinuxで使うメリットが全然見いだせませんでしたが興味がございましたらお試しあれ。