依然としてSimplenoteが私のメインのメモ帳であることに変わりはありません。しかし、満足もしていません。
代替を探すに当たって、気になっているのが以下の2つ。
- Joplin
- Obsidian
双方をダウンロードして試行錯誤してみている最中であります。Joplinは前から知ってましたが、Obsidianは最近になってから知りました。使ってみるまでは双方ほぼ同じだと勝手に思ってましたが、結構違うことがわかりました。
以下、比べてみたことを書きますが、前提として、Android アプリの使い心地をベースに記述してます。Windowsとか、iOSとかだと感想が変わるかもしれませんが悪しからず。
PKM
言わずとしれた、かどうかは知りませんがPersonal Knowledge Managementの略称だそうです。メモツールについて検索しまくってたら、関連記述としていっぱいオススメされるようになり、知った単語です。
ObsidianはA second brain,
for you, forever.
と銘打ってますから、かなりこれを意識した開発をやってるんでしょう。後述するGraph view機能等がアプリで使えるたり、カスタマイズ製が高かったりするあたり「第二の脳を目指してる」と言うだけはあるかな、と思います。
対して、Joplinはあくまでメモツールの域から脱していない印象を持ちました。
Graph view
Obsidianで使える機能ですが、少なくともAndroid 版Joplinには、この機能がそなわっていません。メモとメモとがリンクしている場合、その繋がりを可視化する機能です。言葉だけでの説明が難しいので、例えば以下の3つのメモを作ってみました。
- Arsenal
- Lester City
- Youri Tielemans
ティーレマンス、アーセナルに来てくれるのだろうか。何の話やねん…
例えばYouri Tielemansというメモを以下の内容で作成したとします。[[ ]]
は別のメモを参照する内部リンクで、この例だとArsenal
とLester City
というメモへのリンクを貼っていることになります。この状態でGraph viewを起動してみると…
ご覧の通り、メモ同士の繋がりが可視化できます。マインドマップみたいですね。コレはいい!
このようにObsidianはメモ間の繋がりを重要視した設計が成されています。
ちなみに、JoplinのWindows版だと、これに近い機能がプラグインとしてリリースされているみたいです。アプリ版への実装はあるだろうか…?
データの持ち方
Joplinの場合
100% your data. Offline first, so the entire data is always available on the device even without an internet connection.
Obsidianの場合
With Obsidian, your data sits in a local folder. Never leave your life's work held hostage in the cloud again.
両者ともクラウドはあくまで複数端末でデータ同期させるためのツールであって、ローカルにデータを持つ設計になってます。
しかし、ローカルデータの持ち方に関しては大きな違いごあります。Joplinはとてもシンプルで、一箇所のファイルに一元管理されます。Android内では管理ファイルの中身は見れません。
が、Obsidian はそうではありません。データを別々のフォルダ階層に分散させ、各々でデータベースを構築できます。valut
という単位で管理することになります。
valutの構成自由度は高く、もちろん全く別々のフォルダを別々のvalutとして読み込むこともできるし、フォルダ階層を変えて別のvalutとして読み込むことも可能。
文章だけでは説明が難しいので、以下のサンプルを作ってみました。
- 「All memo」というフォルダを作成
- 「All memo」の中に「Markdown」と「soccer」というフォルダを作成
- 「Markdown」と「soccer」の中には複数のマークダウンファイルを作成
上記のハードコピーは以下の通り
さて、「All memo」をvalutとして開くとどうなるか?
次に、「soccer」valutとして開くとどうなるか?
おわかりいただけましたか?
ちなみにObsidianでは、ファイルマネージャーでフォルダ名やマークダウンファイル名を変更したり、マークダウンファイルのディレクトリ階層を移動させたりしても、valutを開き直せば反映します。メモファイル自体がファイル名.md
というマークダウンファイルとしてファイルマネージャーから見れる状態で、そのまま他のエディタで開くこともできます。このあたりの自由度の高さは、メモ機能単体としてはあまりメリットにならないと思いますが、分散管理できることによるりリスクマネジメント面やチームで使ったりする場合は閲覧権限分けできるとかでがメリットでしょうか。もちろん私は個人使いしか念頭にないので、あんまし恩恵ないかもですが。
同期
Joplinの場合
OneNote、Dropboxなどを使った同期が可能な他、独自の同期サービスとして「Joplin Cloude」を有償で活用することができる。ちなみにOneNote、Dropbox両方を使ってAndroidーiPhone間の同期を試してみましたが、双方サクサク同期することができました。メモ総数10個くらいで数回しか試してないので、細かくチェックするとなにか課題があったりするかもしれませんが。尚、Joplin cloudの料金プランは以下。
Plan | Price | Strage |
---|---|---|
Basic | 17.88€/year | 1GB |
Pro | 57.48€/year | 10GB |
記事を書いてて気づいたのですが、ドルじゃなくてユーロでしたか。
上記以外に、複数人数で使う想定のTeamsというプランもある。Basicプランでついてる主な機能はPublishとWeb Clipper。
Obsidianの場合
一応Dropbox等のストレージサービスを使った同期は可能なようですが、かなり制約があるようです。詳しくまとめておられるサイトがありますので、詳細はそちらをご参考ください。
pouhon.net
要は、前述のようにローカルデータの持ち方の自由度が高すぎて上手く同期できない、ということか?
何しろAndroid との相性悪し!Android使いの私には悲しい限り。
多種のOSの端末と同期を取る場合最も有効なのは有償プランの活用のようです。
料金体系は以下。
Plan | Price | Strage |
---|---|---|
Sync | 96$/year | ? |
Publish | 192$/year | ? |
高けぇ!!
いや、もちろん払えないことはないんですけど…。
ちなみに老舗クラウドサービスであるEvernoteの有償プランだと
Plan|Price|Upload size
:---|:---|:---
Personal|8,100¥/year|10GB/month
Professional|11,000¥/year|20GB/month
通貨単位がバラバラですみません。思い切りレートの変動がなければ
Joplin < Evernote < Obsidian
ですかね?Obsidianのストレージ容量の制約がよくわからないのですが、Joplinがストレージ容量も小さい分安いのかな。
開発元
Joplinの場合
イギリスのエンジニアが中心になって開発。だからサービス費用はユーロ建てなんですね。
Obsidianの場合
カナダのエンジニア(主に華人系)が中心になって開発。
Joplinの場合、それっぽい企業スポンサーがついてそうであるのに対して、Obsidianは個人でやってる感満載。飼ってる猫も主要メンバーに入ってるくらいのアットホーム感なので、逆に今後の継続性に不安を覚えなくもない。
しかしながら、Obsidianの方が開発が盛んな感じもします。700種を超えるプラグインがリリースされているのは凄いところか。
ま、双方NotionとかEvernoteみたいに大規模で人材を抱かえてビジネスするまでには至っていないんでしょう。なのでソフトウェアリリースの継続性についてはどっこいどっこい、かな?
設定項目
後日追記予定
どっちにする?
本記事を書いていて、Obsidianのほうが魅力的だな、とは思いました。ただ、同期に難あり。折衷案として....併用する...?
結論無くてすみませんが、継続検討しようと思います。